社会福祉分野の有効求人倍率について まだまだ仕事、あるよね。
厚生労働省が令和2年9月1日、報道関係機関に対して、
と発表しました。
厚生労働省では、ハローワークの求職者登録数、就職者数、企業からの求人提供数の状況をまとめたうえで、有効求人倍率等の指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公開しています。
新型コロナウイルス感染拡大以降、下がっているという見方が正確ですし、肌感覚としてもその通りなのですが、就労支援等をしている側からすれば「昨年末から低下した求人数が上がってこない」とも見えます。就職のセオリーとして年末に求人は落ち込み、4月の年度初めに向けて徐々に上がってくるというのが普通ですが、求人数でいうならずーっと年末。という感覚ですね。
多様な働き方が展開されている現在、この有効求人倍率という数値が意味することに正確さがあるかというのはだんだん怪しくなってきている現在ではありますが、少なくとも状況は悪いということです。今回の新型コロナウイルス感染拡大によって求人を出す企業そのものが廃業しているわけですから、どの分野であっても、当然新規求人数は減ります。全国的にも新規求人状況は前年同月比率で28.6%も下がっているというのですから大変なことです。
ただ、社会福祉分野にフォーカスすると、まだまだ仕事があることがわかります。今回の報道関係資料として提供されている 職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート)において社会福祉の専門的職業に焦点を絞ると、有効求人倍率は2.90、介護サービスに関しては3.28と、一人に対して3個近く、仕事がある状況です。このような不況下にあっても、社会福祉分野がいかに離職に強いかわかる数値となっています。
ただ、このような状況だからこそ、福祉職も含め、どうしても人に触れあわなければ仕事にならないエッセンシャルワーカーになることを忌避するという選択肢を取られる方もいらっしゃるので、このような数値となっていて、「福祉職にチャンスがあるから応募してみよう」と即断されないのも理解できます。
仕事よりも自分の命だというのは絶対的に正しいと私自身も思いますし、ただでさえ未経験職に就くことは不安なのに感染のリスクが上がる心配までしながら働きたくないと率直に考えることは悪いことではないと思います。重症化率が低いといえど、その重症者に自分が絶対にならないとは全く言い切れないからです。一方で感染経路を見ればわかることですが、業種問わずの問題でもあります。休日の過ごし方、濃厚接触する可能性が明らかに予見できるスポーツクラブ等への積極的な出入りの方がよっぽどリスクであることも最近ではわかっています。
今回のような未曾有の大事態においても福祉職が仕事を失うことなく(別の意味でエッセンシャルワーカーになることが危険であると判断して職種そのものを損切りした方を除いて)生きていけるのは明らかになったと思います。
困っている人がいるときに、それを助ける仕事をしている方々が同時に色々な理由で困窮する
それは基本的にはないし、あるとすれば国単位で介入していくべき問題でしょう。今回の医療職種の方々が例です。(病院の経営不振により、第一線で頑張っていた医療職の賞与がカットされるなどの減少)
コロナ以前からある働き方改革や残業問題の即時解決は感染予防対策と同じくらい重要(組織と個人の信頼関係が良い支援を作る)
新型コロナウイルス感染拡大によって新しい働き方が取り沙汰されています。
以前にあげた記事でも紹介しました 新型コロナウイルスと社会福祉士にあるように新型コロナウイルス感染症からクライエントを守ることに対してはとっても知恵が働いたり、ICT端末導入も含めて一生懸命考えている様子も見受けられるのですが、
以前に言われた内政の見直し(働き方改革、具体的には多様な働き方の選択や時間外労働等について)はどうなっているのでしょう。
私はまず、ちょっと前から言われている働き方改革をまず着工すべきとも考えられます。
まとめ
有効求人倍率の高さを通じて、福祉分野の不況に対する強さを紹介してきました。同時に、同分野で取り組むべきはクライエントの環境整備に一生懸命になるだけでなく、今一度自分たちの職場環境を見直すことだと私は考えます。福祉分野に関わる皆さんが目標を持って仕事をし、その上で自ら成長する機会を作るのは1000の研修ではなく、安心できる職場の土壌だと思うのです。
今回紹介した記事に関する、厚生労働省のHPを載せておきます、ご興味ある方はぜひ。
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