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積み上げられないを積み上げる支援を続けるためのマインドセットについて

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支援場面
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積み上げられないということ。

対人支援をしていると、動的なアセスメントから課題を見立てて支援を組み立てる。時間が経てば修正して新しい手法、もしくは見立てそのものを変更していくプロセスがあります。これを大きな見方ではこの取り組み全体を積み上げといったり、現場では支援の場面そのものを切り出して積み上げと読んだりします。

稀ではありますが、ここに積み上がらない方、支援というのが確実にあります。それは私達福祉分野に従事する誰もが出会すことがあるだろうけれど、それに対する手法そのものがあまり共有化されていないことに危機感を感じます。

例えば障害者施設ではあるが高齢者課題の事柄に支援が必要となる、児童施設であるが精神領域、あるいは高度の医療分野に関する支援が必要となる。などの場合です。

このようなケースに出くわすと、軽く面食らいながらも、我々現場は何とかこれまでの手法ややり方を工夫しながら当てはめたり、そこで一時的な改善を見たかと思えばやっぱり難しかったりとします。これらの環境設定の中で現場職員は普段の流れで取り組めないストレスを高く感じ、こと精神疾患が絡む相手であればこちらも精神的に食べられてしまう可能性すらある危険な状態です。

こういった、いわゆるカテゴリー違い、あるいは横断的課題をもった方への支援は多くの場合で積み上がらないケースが多発するし、その積み上がらなさが継続しているのにごく少人数しかそのことが共有されずに、対外的には支援提供者側(職員さん)が悪者になってしまうケースもあります。

ここで重要なのは3点

1、一人、少人数で課題を抱えない

2、適切なマインドセット

3、最低限の記録の共有

が言えると思います。1、3については沢山の場所で言われてることなので今回は2について紹介していきます。

積み上がらない支援のマインドセットについて

【積み上がらないことを積み上がらないとして明確化し、問題と対峙せず共存する】

積み上がらない支援課題ほどシンプルに不全感を感じることはありませんし、さらにその場において、かえって悪化したり憤慨するケースを見ていて辛く感じる場面はないと思います。

その中で重要なのは上記したように、積み上がらないことを積み上がらないとして、諦めるのではなく、共存するというプロセスだと考えます。

共存のプロセスのヒントとなる用語に、ネガティブケイパビリティというものがあります。

例えば、典型的な困ったなあというケースに出くわした場合に、情熱をもってして解決にあたるのも大いに結構。ですが、そんなことを毎度毎度しっかりやるのも大変ですよね。

そんな時、ネガティブケイパビリティ的な考えならば、「あの人はどうして〇〇なんだろうね」と、ひとまず置いておくこと。疑問は正直いって不快感を伴うので、早く片づけたいな、、、。みたいに思うのが普通ですね。(ただ、その時点で解決できるならそもそも困難とは言わないですよね。)

この考え方が言わんとするのは、現状をそのまま耐えるということです。時間が解決するというのは昔からよく言ったもので、正直仕事も学問も似ているところがあります。解決するまで、もちろん習慣的な努力はする。しかし、それ以上ほかの流れを停止してまで過剰にサービス提供に移らない。悩まない。置く。そんな感じですね。

ここまで読んでいただけるとネガティブケイパビリティ的な考え=たちまち問題解決するtipsではないということもお判りいただけると思います。むしろ進行形で悩んでるかたにはますます悩みになるかもとさえ思うわけです。そんな方は、まず、「待つ」ことに不慣れなのではないか?とも思えます。私も似たような経験がありますが、今日の仕事は今日解決したいみたいな衝動にかられることはしばしばあります。しかしそんなことはまずないわけですよね。鷲田清一さんの『待つことの力』をお読みになることがいいかなと思います。こちらのほうが今積みあがらない方の対応に悩む皆さんへのマインドセットになるのかと。つまり「待つ」ことのエッセンスを再度洗い、ネガティブケイパビリティ的な考えをもって、課題を置き、休符のように途中途中の進捗を記録などでまとめ、これを積み上げることを解決まで繰り返して待つ。というのが社会福祉士を業とする我々のベターな解決法と考えます。

まとめ

積みあがらないということが現場では当然にあり、チームであたり情報を共有するのは当然のことではありますが、その見通しの立たなさについては、個々で勝手に悩みなさいみたいな感じで、メンタルフォローはあまり期待できません。この記事にある著者さん等の本を通じて、自分のマインドセットで解消していくことについて書きました。皆様の支援がすこしでも楽に継続できますように願ってやみません。

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