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精神保健福祉研修(前期)『アセスメント力を磨く』を受けて学んだこと 

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支援場面
出典元:https://www.irasutoya.com/
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こんにちは、今回は相談援助職の肝であるアセスメント力の向上に関して、過去に参加したおすすめ研修の紹介をしたいと思います。精神保健福祉研修に関して、コロナ禍でその殆どが中止になっていますが、私たち現場の最前線は常に稼働しているわけで、その能力の維持向上に努めるのは社会福祉士の責任でもあります。今回は残念ながら研修は中止になりましたが、今回紹介する研修は通年行われているものですので、要件をクリアする方はぜひ参加してみてください。

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『精神保健福祉研修(前期)アセスメント力を磨く』に参加してみた

私が参加したのは平成29年頃のものでしたが、この研修は評判が高いため、毎年行われている研修でもあります。(研修していただく講師の先生は都度変更となる可能性が高い)

「手を挙げれば誰でも」という研修ではないため、要件を確認して応募する必要があります。

対象・定員・日時

23区・島しょの行政職員、医療機関職員、その他精神法顕福祉関係機関職員等で、

①精神保健福祉実務経験が5年目までの方

②事前課題「現在関わっているケースあるいは過去関わったケース」について、所定の様式に沿って事例の提出ができる方(精神障害を有する事例に限る)

定員:60名(今後、コロナ禍により変更の可能性あり)

日時:毎年7月頃(精神保健福祉研修の前期に該当するため)の一日研修(9:30-16:30)

プログラムの内容と雰囲気

内容に関しては、午前(基礎編:演習を交えた講義)、午後(演習)に分かれています。

講師によっては、午前編から大変厳しく、ケースカンファの様な形式で話し合う際には「今本題としている話題から外れて、支援を進めていくことを妨害しないこと 余談はすべて無駄です」と切れ味の良い注意を受けることもあります。たしかに、本当に講師さんのおっしゃる通りではあるんですが、所属組織によってはダラダラと先の見えないカンファを展開してそれが仕事だと思っている上司の方々が居座る世界で、それが当然のなかでお勤めになっている方も少なくないわけで、この指摘には正直ドキリとします。

基本的に私たちって明確に指摘したり、注意することに慣れていない部分もありますね。自分たちはクライエントとは異なる点を強く意識させられるときでもあります。

対象を支援経験の少しある方に限定しているので、酸いも甘いもとは言わずとも、ちょっとした成功体験と大失敗・大苦戦経験をもった人や妙にこなれた方が多数いらっしゃいます。おそらく困難ケースといわれるところですが、今思えば多少のプロスペクト理論みたいなところが関係しているのでしょう。

参加姿勢として注意したいのは、

・初心忘れるべからず(自分の経験に誠実に、話過ぎないこと、交流の場でもあるがそれが第一の目的ではない

ですね。

研修に参加したうえで共有する価値のある考え方・ツール

アセスメントの際は自分のクライエントである意識を強くもち、ニーズ・課題解決のために必要なことは話の順序が違っても確認することが大切。
「さっきの◎◎という話なんだけれど、これってあなたにとって大切なところだから、もう一回聞かせてもらえるかな。」という言葉が便利です。
段取りの良さ=アセスメントが上手、ではないこと。魂を掬うお手伝いをするなら自分の魂を見せる覚悟がいると私は思いますです。
また、アセスメントは実施で終了ではなく、そこから多職種・他事業間でやりとりされるものでもあるため、その連携に耐えうる十分な情報を得る必要がある。これに付随して、課題の本質を把握する質問というのが参考になりましたので載せておきます。
【課題の本質を把握する質問】
①期間(いつ頃から?
②程度(どのくらい?)
③頻度(1週間に何回くらい?1日何回くらい?)
④対処方法(その問題に対してどのように対処してきた?)
の手順で、聞くことで、共有しうる十分な情報がまっすぐとることができます。雰囲気重視で話の内容がどうしても雑談によることもあると思います。ただ、会話の中にこうしたまっすぐの質問を交えることで、意味のあるアセスメントも欠かさず行えるようにすることが必要です。

その他、精神保健福祉領域特有の質問で参考になったもの

これに付随して、課題の本質を把握する質問というのが参考になりましたので載せておきます。

①病気について「病院の先生から、今の病気についてどのような説明をされていますか」(医師の意見書と本人の認識に整合性をとる)
※受診先医師が比較的若いお医者さんの場合はきちんとした説明がなされている場合が多い。他方で大病院の名医とかであるほど、説明が省略されていることがあるので注意、特に精神領域のクライエントに関しては、あくまで本人の病識の中で話を進めることが良い。それが一番ご本人にしっくりきている今の状態であり、見方こそ違えど、本人の世界が一番の正解であることを忘れてはならない。よって、万一事前情報と整合性が取れなくても、「いや、カルテには◎◎とありますが」と無意識に直面化しないこと。これが本人の体調を悪くする一番の原因となることを肝に銘じること。
②「最近、一番状態が悪くなったときの生活状況(症状)を教えてください」
(症状再発を避ける目的)
③症状について「あなたにだけ聞こえている音や声がありますか?」「他の人には真実ではないといわれる物事はありますか?」
※妄想について言及する場合、話が盛り上がりすぎたり、広がりすぎるので注意。
話の切り方としては、現実の生活に焦点を当てて、返答する。直面化は当事者同士で行い、支援者は否定しないこと。
例)皇室妄想の場合は、「お家柄をとても大切に思ってらっしゃるんですね」
□□さんから電話が繰り返しかかる等の妄想「□□さんのことがとても気がかりなんですね」等

まとめ

相談者の思いを受け止めるってとても難しいことで、それが当たっているかなどということは確認しようもない場合も多々あります。ただ、それを見立てた支援者が、過去の経験やパターナリズムで行動分析せずに、説明・共有可能なものとして実施し、適切な支援に繋げていくことがアセスメントの本質です。そのためには、上述した参考の声掛けだけでなく、ジェノグラムやエコマップを用いたり、根本的な本人の来談理由を整理してその気持ちに寄り添うことも必要と考えています。

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