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『福祉サービスの組織と経営』要点のつかみ方とレポートの書き方を解説!

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受験資格取得編
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今回は現代社会と福祉について解説します。

この科目は、社会人の皆様には比較的なじみやすいものです。

科目の構成としては、社会福祉法人制度、特定非営利活動法人制度等の福祉サービスに係る組織や団体に関するものと、福祉サービスと経営理論を唱えた人名(主に海外の人)やリーダーシップ論等があります。さらに中・後半では経営体制、具体的なマネジメント手法、その他適切なサービス体制維持のために必要なサービスマネジメント、第三者評価等、福祉サービスのユーザーが安心してサービスを受けられる体制、およびサービス提供する側が気持ちよく働ける労働環境の整備と豊富な内容となっております。

社会人にとっては読み物としても面白く、とっつきやすいのですが、どの項目もまんべんなく出題があり、実際の試験では思ったように全然得点できずかなり落ち込む科目でもあります。「経営は大丈夫」と思っていると年によっては、社会福祉法人の評議員の論点ばかり狙われるなどかなり危険な科目です。よって、まずは、面白と感じるところを1日15分程度読み進めて、細かい論点は過去問対策でチェックしていこうという浅く長い関わりが得点維持向上のカギです。

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『現代社会と福祉』要点

上述の通り、基礎理論は頑張りのわりに実利も少ないので、これは直前期に回すもしくは、問題演習で間違ったところのみを覚える程度にして他を固めていきましょう。

社会福祉法人制度

ここ5年間で4回の出題がある、常連テーマです。所轄・機関の設置・役員の選任、資格等は多少退屈ですが、必ず抑えましょう。これは他国試を受ければわかることですが、組織の細かな数値及び所轄箇所ずらしが最も簡単な誤肢づくりです。問題のレベルとしては、覚えてればできるし、覚えてなければできずはずのないものが出来上がり、ある程度の人間を振り落とすことに成功します。合格を目指すならば、このレベルの問題は絶対にクリアしましょう。この制度内の但し書きの内容と所轄庁を入れ替えて誤肢をつくるパターンがあります。

例 社会福祉法人制度の所轄庁について以下、二つの文章の正誤を判断せよ。

①社会福祉法人の所轄庁は、その主たる事務所の所在地の市長(特別区の区長を含む。)とする。

②ただし、主たる事務所が市区町村の区域内にある社会福祉法人であってその行う事業が当該市区町村の区域を超えないものは都道府県知事とする。

答え→両肢ともに×

正しくは主たる事務所の所在地の都道府県知事とする。ただし以下が市長となる。

第三者評価

適切なサービス提供体制の確保の論点で出ます。福祉職としてすでに就労されている方はなんとなくなじみがあるかと思われます。基本これは都道府県がからんで社会福祉事業の経営者に努力義務として課されているものだなーという認識で回答しちゃえるのですが、この勢いで苦情処理と解決である都道府県社会福祉協議会に置かれている『運営適正化委員会』も覚えましょう。

働きやすい労働環境の整備

第32回の出題はありませんでしたが、その前までの4年間連続して出題のある注意テーマです。実際には、労働環境の紛争絡みは現状として社労士の仕事です。しかし、私たち社福士としても労働が原因で傷ついたクライエントに出くわすことはかなり頻回にあります。また、男性の自殺と労働課題は非常に近しい関係にあることから、労働問題を広く把握しておくことは実践でも広く役立ちます。労働契約の部分において何がベーシカルなルールなのかを知る程度の気持ちで、おさえておきましょう。

では、次はレポートの例題を解答していきます。

例題 福祉サービスの実践事例を一つとりあげて、その内容を詳述しながら、質の管理と人材育成について論じなさい。

解答 サービスの差別化とは、このレポートにおいて、新しいことを始めることではないです。むしろマネジメント力の増強等の上述したようにサービス提供者側から記述していくと、論点としては新しくないですが実態に即しているといえます。付加価値=「新しいことはじめよ~」ではむしろあまり格好良くないです(点数・評価がとれません)。根本的に、今あるもののなかで工夫する。すでにある理論をうまく使うことを優先に考えましょう。

従来、福祉分野が「措置」が「契約(サービス)」となり、クライエントが自由に福祉サービスを選択できるようになった。したがって、福祉も他の施設・事業所よりもクライエントが利用してくれるよう生き残りをかけたものとなった。そこで必要な物差しとして「良い施設」と認識してもらうことであるが、第三者評価を取り入れたことで国や地域からの評価を確認することができるようになったのである。
施設や事業所として評価を得る為には、従前の支援プロセスを守りつつ一定の成果や効果を出して、質が高いことを実証する必要がある。そのためにはサービスの提供プロセスを振り返り、必要に応じて改善案を提供するPDCAサイクルが不可欠である。これを踏まえて、施設の人員基準を守り、どの職員が行っても変わらないサービスが提供できるように標準化することが、各支援の成果に繋がると考えられる。
私が勤める生活介護施設では、入社時に必ず本部で一定の介助方法やインストラクション研修、疾患勉強等を経て現場に入る事になっている。また現場でもOJT研修を行い、細かなチェックシートを使って誰がどこまでできるのか等を共有可能なものとしてで視覚化し管理している。
しかしサービスの標準化だけでは差別化はできない。それは、多様な事業所がほぼ同じ方法で支援の成果向上のために邁進しているからである。何か別のサービスを生み出すことで付加価値を高める方法もあるが、それよりも優先して、社会福祉士等支援者の倫理綱領の意識強化が必要であると考える。『社会福祉士の倫理綱領 倫理基準 1)利用者に対する倫理責任』にもあるように、支援者は利用者に対して説明責任があり、自己決定やプライバシーを尊重するといった責任がある。
このような倫理を守った人材を育成するためには、チーム内の主体となる者(リーダー)が率先し、(1)事業の目的は何か(2)対象者は誰でその情報や意思をどのように扱うか(3)何を大切としているのか(4)うまくいかなくなったときはどのような方法でどのように共有するのか、等を始業前や週次の会議等の短い頻度で直接の会話で伝え、チームに浸透させる必要がある。この時の率先してする行動をリーダーシップという。そのうえでリーダーが各人の役割を再確認し、その進捗を見守ることでより強固な組織体制が構築され、結果として会社の強みになるだろう。
『4象限のマネジメント』にもあるように、リーダーは職員の通常業務を見守り、サービスの付加価値の創出や潜在課題の探求などが本来的な業務であることを意識することで、リーダー自身のモチベーションや役割分担の維持にも繋がる。このように職員と管理者双方が、都度、サービスの対象となる利用者に対する敬意をもち、必要に応じてその多様性にも目を向けること、その上で役割意識をもち業務に集中する環境を作ることが本質的な福祉サービスの充実に繋がると考える。(©mhotsuma 無断転載禁止)

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