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『児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度』要点のつかみ方とレポートの書き方を解説!

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児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
出典元:https://www.irasutoya.com/
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今回は児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度について解説していきます。何かとメディアに頻繁に取り上げられる児童分野。児童そのものに限らず、家庭の形が複雑化していることでその制度も複雑となっています。2020年4月以降はコロナウイルス対策として、児童手当を受給している方に、児童一人あたり1万円の支給があったり、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯の方で、収入が減少した方を対象に、「ひとり親世帯臨時特別給付金」約10万円の支給が行われたり、世情がダイレクトに反映される分野でもありますので、制度や手当が乱立していて、要点がおさえにくいと感じる方も少なくはないかもしれません。このように制度がある程度充実しつつあるなかで、いまだメディアを騒がすのは、親たちの情報取得力の不足であったりもします。

この分野の支援の本質は家庭支援にあると考えます。社会福祉士は段階的にアプローチ手法を通じて今必要な支援を本人納得のもとで提案していくことが必要と考えます。特に保育問題となれば、社会通念上弱い児童たちがかかわっている、生命の問題に重視しがちですが、こうした親たちの状況が改善されなければ一向にこの問題に対して改善は見られません。支援の目線で言えば、緊急に対応する部分と、本人(親、子ども含む)の両価性を尊重しながら段階的にアプローチしていく課題の両方が顕著であることがこの分野の特長です。良い意味でも悪い意味でも『子ども→守るのが当然、親→がんばって当然』というのがいまだにこの分野のトレンド。パパママ権利宣言をつくってくれと個人的に思うほどにこの分野は子どもに傾倒し、養育者フォローが手薄です。結果的に親が壊れて子どもが影響を受け、壊れた親を始めてフォローするという体制、結果子どもに対しても本来不必要であった対応が発生する失敗施策の多いのが現状です。お子さんのいる親御さんたちは、勉強に感情を入れすぎないように、深入りしすぎて他の教科で得点できなければ足切りもありえます。笑

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『児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度』要点

この分野の要点としてまず、児童の定義と権利という基本ルールから、児童福祉法というルールブック、これらを基に各論が派生(障害児等の特別な配慮のある子どもたちへの対応、母子に対する支援(母子保健法)児童虐待等)し、そのうえで次世代育成支援対策、少子化対策などの施策が展開しています。勉強の過程で、障害者福祉、権利擁護、生活保護法等とも関わってくる分野ではありますが、国試では相関関係を問われるとすれば母子分野における生活保護程度です。今ここ感を重要に、他分野に気が散らないようにしましょう。

児童の定義・権利、児童福祉法→各論(障害・母子)、現況・施策把握で決まり!

この科目で一番大きく、出題も多いのは児童福祉法です。ただ、この法律だけでは十分なフォローがいきわたっておらず、特に親のフォローに対する昨今の注目度が高いと認識していきましょう。

児童の定義などはほぼ出題されませんが、登場人物把握程度で撫でておきましょう。

児童の定義は「18時までに入浴しよう1歳児、少年18人その後で」で覚えよう!

児童の定義はその法律によって多少異なります。ただ、基本は児童福祉法ベースで、児童、乳児、幼児、少年が定義とされるのが普通ですから、この法律を基本に捉えましょう。

児童とは→満18歳に満たない者

乳児とは→満1歳に満たない者

幼児とは→満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者

少年とは→小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者

をいいます。紛らわしい!とお思いの方に語呂合わせを考えましたので、ご参考まで

18時まで(児童は18未満)に(乳児)(幼児)しよう1歳児(1歳未満乳児、1歳から小学生まで幼児)、少年18人その後で(小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者は少年)

また上述した、基本をとらえたあとは、例外として、

母子及び父子並びに寡婦福祉法での「児童」の定義→20歳に満たない者

少年法での「少年」の定義→20歳に満たない者

を覚えておけば解答に困らないでしょう。

児童の権利

児童福祉法ができたのは1947年で、基本的に戦争孤児に対する保護が目的でした。当然それ以前から児童はいるわけですが、日本はここまで富国強兵に焦点をあてており、弱い立場の児童に焦点をあてたものはありませんでした。なので児童の権利と言えば海外のもの、これを受けて、日本が作ったものを抑えておけば十分です。

児童の権利に関する宣言(いわゆる※ジュネーブ宣言)→1924年にできる。5つの原則(①心身の発達における正常な手段をとる②食糧、必要な医療の提供③最初の救済対象であること④搾取されないこと⑤人類全ての発展のための育成を意識する)から構成。第一次世界大戦を背景に国際連盟によって作られた世界初の児童権利宣言ですが、第二次世界大戦を受けて国際連盟が解体したために形骸化

※ジュネーブ宣言は、一般的には1948年に規定された医療の倫理規定の宣言の方が有名です。

これとは違うものなのでこの記事では児童の権利に関する宣言と記載しています。混同しないように注意してください。

・世界人権宣言→1948年にできる。第二次世界大戦終結後、国際連盟の再結成組織、国際連合によりつくられた。

・児童憲章→1951年、日本が作成。児童の基本的人権、道徳的規範をつくる

・児童の権利宣言(1959年)、条約(1989年)→児童の権利宣言が世界人権宣言を踏まえて採択された。児童の受動的な権利保障にかぎらず、児童の自己の意見表明権等の能動的側面の確保もカバーしたのが条約。

児童福祉法

当然のことですが、最大テーマ、最頻出です。

1945年に戦争孤児の要綱が策定され、その二年後に1947年に同法が制定されました。戦争孤児の救済の目的から、現在に至り、現在ではすべての児童の発達を保障する法律となっています。勉強の方法ですが、理念、責任、原理の尊重を必ず抑えましょう。その上で児童福祉施設、障害児支援、児童福祉関連事業と展開されていますが、特に児童福祉施設は名前が似ており真っ向から覚えると効率が落ちます。よって、問題演習で間違えたところから覚えていく手法をとりましょう。

福祉分野全般に言えることですが、トレンドはアウトリーチ(居宅訪問などの訪問型の支援展開、専門家がどこかへ出て支援を展開するもの)ですので、この認識で勉強を進めていくと効率が良いです。事業や最近の傾向で障害児支援に関しては出題が高いものと思われますので、真っ向から対策を取っておくとよいです。

障害児支援に関しては三つキーワードあげておきます。

・児童デイサービスの一元化…2010年の児童福祉法の改正により、児童デイサービスは従来当該サービスを担っていた障害者自立支援法から、児童福祉法に一元化されることとなった。そのほかに、障害種別ごとの施設体系も通所なのか入所なのかの形態別に一元化されている。

・保育所等訪問支援…保育所、幼稚園、小学校、放課後児童クラブ等に通う障害児に対して、保育所等内で他の児童との集団生活に適応できるようにっ児童指導員や保育士等が保育所等に訪問して、専門的支援を行うことができるもの。2018年4月より、サービス利用可能施設に乳児院、児童養護施設が加わっています。

 

各論(障害・母子)、現況・施策把握

多様なので、以下に挙げた部分以上の対策はしないで、問題演習で間違えた文言程度にとどめることです。

・少子化…合計特殊出生率 (H30年1.42%)

・児童のいる世帯の状況(H30年国民生活基礎調査)

・児童虐待(H30年福祉行政報告例)

・児童虐待防止法(2019年改正)

【第5条】DV対策の連携強化のため、婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センターの職員は、児童虐待の早期発見に努めるものとされている。

【第6条】 学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員は正当な理由なく、その職務上知りえた児童に関する秘密を漏らしてはならない

【第8条】 都道府県は一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分ける等の措置を講ずるものとされている

【第11条】 保護者に行う指導措置は、医学的または心理学的知見に基づく指導を行うよう努めるものとされている

【第13条】 施設入所等の措置を解除するときの勘案要素に、「児童の家庭環境」が明文化 【住居】児童虐待を受けた児童が住所等を移転する場合、移転前の住所等を管轄する児童相談所長移転先の児童相談所長に速やかに情報提供を行うとともに、情報提供を受けた児童相談所長(移転先の児童相談所長ということですね)要保護児童対策地域協議会が速やかに情報交換を行うことができるための措置等を講ずることとされている

・児童相談所の概要…児童福祉法に規定、都道府県・指定都市に設置義務がある。また、中核市程度の市に設置可能となっている。2016年以降は児童福祉法の改正で特別区も児童相談所が設置できる自治体となっている。

それでは、レポートをみていきます。

例題 地域の子育て支援施策の動向と内容をまとめ、今後の課題について述べなさい。

解答のヒント 児童に対する原則、その上で今必要なのは家族全体のフォローという部分を焦点に展開していくのが妥当な書き方です

東京都西部に位置する杉並区の子育て支援施策を取り上げる。
主な施策は他市区町村と大きな差はなく、妊娠健康診査事業や乳児家庭全戸訪問事業、地域子育て支援拠点事業、各保育事業、放課後児童健全育成事業、実費徴収にかかわる補足給付事業等である。その中でも力を入れているのは保育事業であり、平成27年3月に杉並区子ども・子育て支援事業計画を策定したが、事業計画での人口推計を上回る就学前人口の増加、認定率の上昇が見られ、また教育・保育施設の量の見込みと実績値に乖離が生じたため平成30年度に見直しをしている。実態調査により、中学生の児童を持つの母は26.3%(育休0.2%)、同じく小学校の母は31.6%(育休1.3%)、に対し未就学児の母のフルタイム勤務が37.9%(育休中13.8%)と子どもの年齢が下がるにつれて、フルタイム勤務が増加している。そのため保育園を希望する親が増え従来の保育施設のみでは受け皿が足らず、待機児童問題に発展したのである。区として『待機児童ゼロ』を目標にしている杉並区は、未就学児をもつ子育て世代には理想的である。平成28年度以降人口増が見られ、待機児童が増えたとわかると次年度から待機児童解消緊急対策を講じ、待機児童の減少に効果的な役割を果たした。その継続した施策として、認可保育園の増設や幼稚園の長時間預かり、その他の保育施設として地域型保育事業や区保育室、認証保育所の受け入れを増やし、平成30年度には当初の目標である未就学児の保育園待機数ゼロを達成した。しかし就学した後の放課後保育(学童クラブ)までは届いておらず、平成27年4月から原則小学3年生までの受け入れが小学6年生まで拡大されたことで、より学童クラブの待機児童数は深刻化している。また、非共働き等で保育園を希望しない世帯の未就学児に対しての施設や設備は、利用者減少のあおりを受けて規模を縮小せざるを得なく、長時間保育施設が増えているものの、一時保育は住む地域によっては施設数や定員数が少なく、病児・病後児保育の施設も3か所のみで、利用調整の徒労感から保護者が先に諦めてしまうこともある。共働き、非共働き、ひとり親、障害、難病など家庭環境によりニーズは異なるが、他者との接触が絶たれた家庭、特に情報弱者が何の支援も受けられず、または支援を拒むことで児童虐待などの問題も引き起こす可能性が懸念される。保育の前提として、子どもの生命を守ることは基本的原則である。この意味では保育施設の有無を問わず、出生時から行う乳児家庭全戸訪問事業を皮切りに定期的かつ継続的な家庭状況の実態を把握し、必要な家庭支援を受けることを当然としていくよう、専門職による訪問型の支援メニューの増幅が必要と考える。(©mhotsuma 無断転載禁止)

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